アニメーション 2014年10月 楽曲 チャットモンチー 映像 ぬQ 彫刻 近藤南 撮影 松岡ジョセフ 補助 前田結歌 倉持 叡子 岡崎恵理 星野章子 |
ジュースの飲み過ぎで、頭から体が押し出されてしまった少女ふたこ。体は心と繋がっていて、一目散に逃げてしまった。ふたこは、心を失ったあたまだけの存在になってしまったのだ。一郎はあたまを慰めながら、心を追いかけようと奮闘する。 こんな時、「自転車」さえあれば…。「自転車」とは流星のような早さで、惑星のようにくるくると自転する幻の乗り物。しかし「自転車」は乱獲による乱獲、撤去につぐ撤去により、とうの昔に絶滅していた…。 逃げる心は矢に、あたまにあいた穴はブラックホールに、傘はルーレットに、桃はハートに、全てが形をかえながら、希望に向かって進む物語。 |
最果 一郎 |
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玉川 ふたこ (たまがわ ふたこ) ヒロイン。ジュースと桃が好き。夏は暑いので服は着ていない。 |
鹿 木星の気象台で働く。角に特別な力があり天候を左右できるが、本当は別の事に力を使いたいと思っている。 |
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鶏 違法に輝く星を取り締まる、宇宙の出入り口。夏場の宇宙は猛烈に暑く、汗がとさかに悪そうなので、ヘルメットを浮かせて被っている。 |
主題
愛の移動
のどから手が出るほど欲しかった幻のポケモンも、今はちっとも欲しくない。あんなに好きだった人の今現在も知らないし、夢を見るほど欲しかった服も今は着たくない。泣いて謝った申し訳ない気持ち、落ちたものでも食べたい空腹感、今度こそ、心を入れ替え真面目に生きると誓った決心も今は無い…。あの時、確かに存在した気持ちは、なぜ今は無いのだろうか。なぜ、気持ちは同じ形で留まれないのだろうか。
本作は、こういった一連を、心の変化や消失ではなく、「移動」として捉え、映像で表現した。 私の気持ちは私のものであって、私のものではない。気持ちは独立し、移動する。愛が移動することを、誰も止められないけれど、悲しみもまた移動する。愛のある場所が、ぬくもりを残してぽっかりと空いてしまうこともあるが、しばらくすればまた何かを愛する気持ちが戻ってくる。 |
構成
分裂と一致
「こころとあたま」は、心で感じたことと、頭で考えた理屈が矛盾せず一致することを理想とした歌だ。(と解釈した) 曲内では「こころ」と「あたま」に二分されているが、同じ人間でも昨日と今日の自分のこころが矛盾することもあるし、私の気持ちと理屈が一致していても、第三者のそれと対立することがある。さらに、気持ちや理屈の大きさは一定ではなく、高揚したり、しぼんだりと耐えず変動している。以上の理由から、アニメーション内で、キャラクター、物体、時系列、表現方法に負荷をかけて分裂させ、バラバラになったものが形をかえながら、一つになることを目指し、重なりあったり、また分裂したりするような構成にした。 |
表現方法
夏の体験
観念をそのまま映像化したものは、図解のようで面白味に欠ける。思いつけるものは最初から既に作者の手の内にある。本作は、気持ちが持ち主に制御されず、独立して移動するという話なので、映像作者本人も制御できない展開が必要と考えた。 破綻しないように、内容、脚本、構成、キャラクター数(新体制チャットモンチ―が4名なので、作品内でも4名)を固定し、ビジュアル(キャラクターデザイン、ロケーション)のみ、制作期間中(2014年夏)に起こる未来に期待して未設定にした。 |
・奈良公園で鹿を見た ・祇園で鶏料理を食べた ・福島から桃が送られてきた ・清水五条で初対面の映像作家集団と飲んだ。土砂降りのせいで店は貸し切りだった。 ・14年ぶりに自転車を運転した (ブイブイ走り回っている様子) ・午後10〜午前5時頃にかけて、街周辺をぐるぐるサイクリングした。 ・夜中、明け方の街は誰もいなかった。 ・妙なカーブを描く上り坂の一本道を通ると、夜中の2時閉店、朝5時から開店する人気ラーメン屋があった。 (妙なカーブの例) (あっさりしている) ・鴨川が台風で大氾濫したり、晴れて澄んでいたり、同じ川なのに毎日違った。 ・外気温が36度あって暑すぎると思った ・思わぬ長逗留になってしまい着る服が無いと感じた ・日中は大混雑している四条河原町を真夜中に自転車で走っていたら工事現場のおじさんと私しかいなかった。 (工事現場のおじさん) (自転車通行禁止と後で知った) ・自転車を撤去された (自転車の収容所) |
制作風景
基本的にはひとりで考えてひとりで作っている。 今回は凡そ2000枚程度作画したのだが、 頭も手も痛くなってくるのでせめて環境を変えようと思い あちこちでノートをひらいて少しずつ進めた
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ぬQ